2009年11月7日、長野県栄養士会の研修会にて、昨年に続き私が歯科について講演を指せて頂きました。対象は栄養士の皆さん160名!あまり、
10時30分より正午まで90分の時間を頂きお話しさせて頂きました。当日、同行させました大橋歯科衛生士がまとめてくれましたので以下に内容を掲載致します。
生涯を通じて健康であること
  生涯を通じておいしく食べること
<口腔内の健康を維持・増進していくことの重要性>

歯の健康を守ることが全身の健康の維持・増進につながる。日本歯科医師会と厚生労働省で推進している8020運動は80才で20本の歯を残そうという趣旨の運動である。2005年度でようやく5人に1人が20本以上の歯を残すことができるようになった。2004年度 長野県歯科保健実態調査では80歳で9.64本という報告がなされている。(目標の半分)
 抜歯原因の第1位は、歯周病(41.8%)、第2位 う蝕(32.4%)である。つまり、70%が歯周病とう蝕で歯が失われている。
歯の残存本数により、咬める食品群も限られてくる。
0~5本:バナナ 
6~7本:かまぼこ、れんこん 
18~28本:フランスパン、たくあん
 よく咬むことは、日常生活活動能力のアップや、運動能力を高められたり、バランスの良い栄養摂取につながる。
更に、口腔2大疾患である歯周病とう蝕の罹患率は40歳頃になると喪失原因が逆転するという。歯を失わない為の予防法は、細菌の塊であるプラーク除去があげられる。特に、歯肉炎から始まる歯周病の予防は学童期から始まっていると言って良い。具体的には、ブラッシングテクニックの向上や細菌のエサである砂糖摂取の考え方を定着させることである。
人間の体に生息する細菌数はプラークと大腸に多く、細菌の構成も似ているという。
人間は咬むことにより健康を維持していると言っても過言ではない。咬まなくなること=骨体の変化(退化)が容易に起こりうる。
 顎骨の変化として、
   戦前:下顎のエラが張り、丸いもしくは四角い丈の寸づまり
   現代:エラが細い
 又、最近では口が開いている子供を見うけることが多いように感じるが、これも鼻呼吸に関連する。つまり、鼻呼吸ができないと舌の位置が低くなり、上顎骨の成長を阻害する。口を閉じられないことが歯列不正を招く。上顎骨の側方、上方への成長を促進するためには、口を軽く閉じた時に上顎口蓋に舌がかるく接触している必要がある。
歯並びに関しては、乳歯列がすいているほうが永久歯列がきれいにそろうという。
 乳幼児期からの定期検診をはじめ、適切な栄養・運動・睡眠そして安定した心を獲得することが、真の健康であると考える。