11月10日、校医をしている鎌田小学校の5年生.6年生に歯肉炎対策の授業をしてきました。
これで人前でお話しするのが、なんと日曜日を挟んで3日連続ということになってしまいました。
小学校の歯科健診で気になっているのは高学年になればなるほど歯肉炎の子供が増えるということです。歯肉炎は歯を取り囲む歯肉が、清掃不良(ブラッシング不足)のために赤く腫れてブラシがあたると出血する(リンゴをかじると血が出る)状態をいいます。これは歯の表面についた歯垢(=プラークと言います)が原因でおこるれっきとした病気ですが痛みが無かったり、歯肉炎という診断を自分では下せないために放っておかれることが多いように思います。ブラシをしているのになぜ歯肉炎?実はブラシがきちんとできていないためにおこるのです。みがいているのとみがけているのはまったく違うのです。今年も例年の通りプログラムを小学校の小松先生につくってもらいました。プログラムは以下の通りです
①10月中に5、6年生全員の正面の歯と歯肉の写真撮影(学校にて)をします。
②その写真を所定の用紙に張り付けてもらい(この用紙は写真のBefore,After がA3の用紙の左と右に貼れるようになっています。養護の小松先生の力作です!用紙左のBeforeには本人の自分自身の歯肉に対するコメント、保護者のコメントが書けるようになっています)そして全員分を当院へ
③当院では私と衛生士でどこがどう腫れているのか、1枚1枚をコメントを書いていきます。今年も5段階評価をしました。一番良い歯肉が5。以下順番に1までのランク付けをしました。さすがに5の子はほとんど居ませんでした。平均すると3以下ということになりますか、、、

④11月10日 私が5年生6年生に歯肉炎について、原因と対策を説明します。
コメントを書いた用紙はこの後に各自に配っていただきます。
歯肉炎の原因はプラーク(歯垢)なんだよ!先生から頂いた歯垢を位相差顕微鏡で全員に見せます。「ウエ~~~」「でもみんなの口にも居るんだよ~~」本当にばい菌が動いてる~~ううぇ~
⑤スタッフを全員連れて行きましたので説明のあとマンツーマンで出来るだけブラッシングの指導をします。「ここはこういうふうに当てると良いよ」ってな具合です。
最後の言葉は「11/26に歯科健診を行うからそれまでに今より絶対にきれいになるから頑張ってみがこうぜ!」果たしてどうなるんだろうと思いながら学校をあとにしました。
講演の後片付けの時に1人の男の子が「僕、歯肉炎?」って聞いて来たのです。「見せてごらん、、」明らかに歯肉は腫れていました。「そうだよ歯肉炎だよ!」彼は悲しそうな顔で「えっ?歯肉炎なの?」と聞き返しました。「でも、頑張ってみがけば治るんだから頑張ろうよ!」私の言葉に笑みが戻ったようでした。やはり自分が歯肉炎であることを自覚できていないんだ、教えてあげることの大切さを実感しました。
自分の身体は最終的には自分の好きにすれば良いと僕は思っています。ただ、健康になりたい、しっかり自分の歯で一生食べたいと思う子にはそうならないように、正しい情報を教えてあげることがいかに大切かを痛感しています。
⑥さてこれからの2週間、子供たちはどこまで頑張ってくれるのでしょうか?楽しみです。