衛生士の赤羽です。
2月2日土曜日「子どもたちの食を守る会」の主催で魔法の粉!食品添加物にせまる『ダマされた味覚』 安部司さんの講演会が行われました.
以前安部さんの「食品の裏側 みんな大好きな食品添加物 (東洋経済新報社)」を読んで興味を持っていたので、一緒に住んでいる母と聞きに行ってきました。
2月15日の院内勉強会で講演会の内容と本を読んでまとめたことを発表しました。
☆食品添加物と上手に付き合う5つのポイント
 食品添加物と上手に付き合うために、いま私たちができること、するべきこと

①「裏」の表示をよく見て買う――まずは手首の練習から
 
スーパーなどで食品を買うとき、どれほどの人が「裏」の表示を見ているでしょうか。値段と外見、それにせいぜい賞味期限を見るぐらいで、簡単にかごに放り込んではいないでしょうか。
 とにかくひっくり返してみてください。
「まずは手首の練習から」
よくそんな冗談をいいますが、食品を買うときには、必ずひっくり返して「裏」を見る習慣をつけて欲しいと思います。
そして、「台所にないもの=食品添加物」という公式を頭の片隅に置きながら、なるべく「台所にないもの」が少ない食品を買うことです。台所にないカタカナがぞろぞろ書いてあるようなものは避けましょう。
 「裏」の表示を見比べて、できるだけ「台所にないもの」が少ないほうを選ぶ。こうすれば添加物ひとつひとつの毒性の知識などなくても、おのずと安全性の高い食品を選ぶことが出来るのです。
②加工度の低いものを選ぶ――手間をとるか、添加物をとるか
 
食品を購入するときには、なるべく「加工度」の低いものを選ぶことも大切です。
 たとえば、ご飯。
 まったく加工されていない状態が「生米」。加工度が最も高いのが、スーパー、コンビニで売られている「冷凍ピラフ」や「おにぎり」だとします。
 お米を買ってきて、自宅の炊飯器で炊けば添加物はゼロです。
 これが、冷凍ピラフやおにぎりに加工されると、「調味料(アミノ酸等)」や「グリシン」などの添加物が入り込んできてしまうのです。
 でも時間がなくて、自分で炊いていられないというときもあるでしょう。そんなときでも、最終形(冷凍ピラフやおにぎり)に安直に頼るのではなく、その途中の段階であるパック入りのご飯にするとか、そういう工夫をしてほしいのです。
 
 「加工度の高いものは絶対に使うな」ということではありません。忙しいときなど、たまには楽をしたくなるでしょう。たまにはそんなときがあってもいいと思います。
 ただ、あまり頻繁に使うのはおすすめできません。普段は手づくりを心がけ、どうしてもというときだけ使うというようにしてはどうでしょうか。
 手間をとるか、添加物をとるかを心に留めておいてほしいのです。
加工度が高くなればなるほど、添加物は多くなります。「光」が強ければ強いほど、「影」も深いものだということを、くれぐれも忘れないでください。
③「知って」食べる――1週間というスパンで考える
 
「①『裏』の表示をよく見て買う」で述べたことにもつながりますが、自分の食べるもの、あるいは家族に食べさせるものに、どんな添加物が入っているかを、「知って」食べてほしいのです。
 たとえば、今日はどうしても忙しくて、レトルトの麻婆豆腐の素を使って料理をし、出来合いのポテトサラダを付け合わせにしてしまったとします。表示を見れば、それだけで何種類かの添加物をとってしまうことがわかります。その事実をきちんと「知る」だけでも、全然違うのです。
 
 このご時世に、加工食品に一切頼らず、すべてを手づくりするのはたしかに困難でしょう。時々はそういうものを使うのは仕方のないことだと思います。 ですから、極論すれば、2日、コンビニのお弁当が続いてもいい、と私は思っています。
週に3日、加工食品の日があってもいい。
それでも、もし自分が何を食べているかを知っていれば、そこからきっと家族や自分自身に対する「ごめんなさい」の気持ちが生まれるはずです。こまかい毒性や危険性までは知らなくても、ただ、自分が今日家族に出した、今日自分が口にした加工食品には添加物が入っていることを「知って」いれば、必ず「手づくり」の反動がくるのではないでしょうか。今週は3日も加工食品に頼ってしまったから、残りは手づくりしようそうなるのではないでしょうか。
 だから「すべてを手づくりなんて無理」と言わず、1週間というスパンで考えてほしいと思うのです。そのためにも、まずは自分が何を食べているのかを、「知って」食べてほしいのです。
④安いものだけに飛びつかない――安いものには理由がある
 
買い物をするときに値段だけを見て、安いもの、特売のものだけを買っていませんか?
 ほかの食品と比べて値段の安いもの、便利だなと思うものには、必ず理由があります。
そしてその答えは、繰り返しになりますが「裏」にちゃんと書いてあります。
昨日まで398円だったソーセージを298円で売りたいと言われれば、利益は変わらず、298円のものをつくる-それがプロの仕事です。要は材料の質を落とし、その分添加物を駆使して、「それなりのもの」をつくり上げるのです。
 しかし、そんな「それなりのもの」でも、消費者は値段だけを見て、「これは安い、ラッキー」と買っていってくれるのです。
 
 
 「安いものには理由がある」
 それだけはくれぐれも肝に銘じておいてください。
⑤「素朴な疑問」を持つこと――添加物と付き合う最初の第一歩
繰り返しになりますが、まずは「素朴な疑問」を持つこと――これが、添加物と付き合う、加工食品を選ぶ、最初の第一歩になります。
 「なぜこの明太子は、こんなにきれいな色をしているのだろう?」
 「なぜこのハンバーグは、こんなに安いのだろう?」
 「なぜこのパックサラダは、いつまでもしなびないのだろう?」
 「なぜコーヒーフレッシュは、安いお店でも使い放題なのだろう?」
 「みりん風調味料の『風』って何だろう? 純米みりんとどう違うのだろう?」
「米だけでつくったお酒って、いま飲んでいるお酒は、米だけでつくられてないの?」
 こうした「素朴な疑問」を持つことがすべての始まりなのです。
  スーパーで売られている3本入りが1袋100円のにんじん。
 「どうして自然に育った野菜が均一にそろっているのだろう?」
 そんな「素朴な疑問」を持つ人が、いったいどれだけいるでしょうか。大きさも形も色も3本そろって、重さもほとんど同じ-そんな「ロウ見本」のようなにんじんをつくるには、やはり多くの農薬と化学肥料が「裏側」で使われているのです。
 いずれにせよ、「素朴な疑問」を持つことが最初の第一歩です。そしてそんな「素朴な疑問」を持ったら、加工食品の場合は、ぜひひっくり返して「裏」のラベルを見てください。その答えはおのずと出るはずです。