今年もあっという間に9月中旬!月日が経つのはなんとはやいのでしょうか?気の早いデパートではありませんが、今年のクリスマスに向けての落ち着いた一枚のCDをご紹介しましょう。
クラウディオ・シモーネ指揮 イ・ソリスティ・ヴェネティー演奏の「クリスマス協奏曲集」です。
17世紀末~18世紀にかけてのイタリアではクリスマスの頃に演奏するための「クリスマス協奏曲」や「パストラーレ」(筆者注:パストラーレとは?
1)田園曲:キリスト誕生時の羊飼いの言い伝えから羊飼いの音楽を模したクリスマスを祝う曲
2)牧歌劇:神話的な田園を舞台に繰り広げられる牧童たちののどかな恋物語。オペラの先駆けとなる様々な要素を含む。ルネサンス末期 (16世紀後半) のイタリアで大変な流行を見た。
「パストラーレ」と特にイタリア語を使う時は、2)の「牧歌劇」の意味で使われることが多い)が数多く作曲されました。
聖書の伝えるところによると、イエス・キリストの誕生の知らせは、まず羊飼いにもたらされたという。この記述にちなみ、17世紀のイタリアではクリスマスの朝になると近郊の村から羊飼い(pastore)たちがやってきてピッファロ(ショームの一種)とサンポーニャ(バグパイプの一種)を奏でる習慣があった。彼らの音楽は耳に心地よい6/8拍子や12/8拍子の舞曲が多かった。その後、このCDでも紹介しているコレッリやトレッリらイタリアバロックの代表的な作曲家の器楽用パストラーレにも同じような特徴が見られるのは羊飼いたちの音楽を起源とする特徴が彼らにも少なからず影響していることを示しています。
収録曲
コレッリ(ARCANGELO CORELLI 1653~1713) この曲は院長趣味のページNo.23と重複します。コレッリについても詳述
トレッリ(GIUSEPPE TORELLI 1658~1709)
マンフレディーニ(FRANCESCO MANFREDINI 1684~1762)
ロカテッリ(PIETRO LACATELLI 1695~1764)
ヘンデル(GEORG FRIEDRICH HAENDEL 1685~1759)
指揮者クラウディオ・シモーネは1934年生まれ、1959年にイ・ソリスティ・ヴェネティを結成、18世紀イタリアの器楽作品をレパートリーの中心に置き、古楽ブームの先駆けとして活躍している。CDリリースは150枚を超える音楽家。
ERATO WPCS-10337