このコーナーで書籍を紹介するのは多分初めてだと思います。武久さんに関してはリリースされたCDの大半(すべてではありません、、、)をブログでご紹介しました。その際、武久さんの音楽に対する造詣の深さ、愛情、情熱、そして勉強量の豊富さ!一言で言ってしまえば「博識」の一言なのですが、そのすべてが相まってあのライナーノートになっていたんだと思わずにはいられません。CDを聴くのはもちろんですがライナーノートを読むことが亦楽しみでもあることはご紹介の時に何度も書かせていただきました。さて、その武久さんが2002年に上梓したエッセイ集がこの本です。恥ずかしながらつい先日存在を知り買い求めました。武久さんが本音でかたってくれています。モノを見る目の確かさと感性が音楽ファンの自分にいろいろな問いと回答をくれました。まさに現代の「知の巨人」と言っても過言ではない感性の持ち主!余談ですが時代小説家(と言っていいのでしょうか?)乙川雄三郎氏の文章の格調の高さに出会った時と同じくらいぶっ飛びましたが、、、、音楽ファンには(余計なお世話ですが)とにかく一度読んでいただきたい、そんなエッセイ集です。だけど、、、一体どこでどんな勉強しているんだろう?ぼくにとってはとっても不思議な人でもあります。
 
奇しくも、この本のなかで武久さんと対談している河合隼雄(かわいはやお)氏が19日に逝去されました。氏は元京都大学教授、元文化庁長官、臨床心理学者として活躍されました。日本人の感性や思考を神話や仏教説話の分析から解明しようとした文化研究者でもありました。趣味はフルート演奏、コンサートも開き、また冗談好きが高じて「日本ウソつきクラブ会長」を名乗るなど多彩な面を持つ文化人でした。この本の中でも武久さんと熱い対話が行われています。
ARCアルク出版企画