シェイクスピア(1564~1616)の時代に行ってみたいと思いませんか?以前にも書きましたが僕は訪ねられるのでしたら行ってみたいです。理由は色々とあるのですが、まあこのCDの出だしの曲を聴いてみてください。お分かりになるはずです。なんとも言えぬ雰囲気なのです。
 シェイクスピアの数々の戯曲はテムズ川南岸にあったグローブ座で上演されました。ロンドンっ子の人気をさらいました。グローブ座はシェイクスピア戯曲の象徴とも言える芝居小屋でしたがこの400年のうちにはその姿はいつしか消えてしまいました。1997年、かつてのグローブ座の跡地にオリジナルの設計を出来るだけ忠実に再現したニューグローブ座が再建されたのです。その舞台での上演に時代様式の厳密な考証を経た音楽を提供するためにフィリップ・ピケットのもとに古楽演奏家がよりすぐれられ結成されたのがグローブ座の音楽家たちです。この本場グローブ座が贈るシェイクスピアの劇中歌、舞曲、バラッドの数々が収められているというわけです。当時の匂いが(知る由もありませんが)ぷんぷんするような演奏を聞かせてくれます。
 曲は、作者不詳のものから、
トマス・モーリー(THOMAS MORLEY 1557~1602)
ジョン・ウィルソン(JOHN WILSON 1595~1674)
ジャイルズ・ファーナビー(GILES FARNABY 1563~1640)
ロバート・ジョーンズ(ROBERT JONES 1597~1654)
ジョン・ダウランド(JOHN DOWLAND 1563~1626)
ウィリアム・バード(WILLIAM BYRD 1543~1623)
このCDの作曲家の名前を見ているだけでも凄いんです。シェイクスピアを支えていたのが当時最高級の音楽家たちだったことは間違いありません。
”心に音楽を持たず、美しい音の調和に動かされぬものは裏切りや策略や掠奪をしかねない” 「ヴェニスの商人」第5幕 第1場より
なのだそうです。
PHILIPS PHCP 11202