ヴィオラ・ダ・ガンバ(伊:Viola da gamba)の起源は、はっきりしないそうですが、16世紀初頭にスペインで生まれ、ルネサンス~バロック期にヨーロッパ全土で使われるようになった弓で弾く弦楽器です。形はヴァイオリンやチェロに似ていますが、調弦法・演奏法など多くの点で異なります。通常は6弦(音域によって4種類くらいに別れるのですが5弦、7弦のものもあるそうです、複雑!)。ヴァイオリン属との大きな違いは、フレットがあること。ただし、ギターのそれのように指板に打ちつけられた金属ではなく、ガット(羊の腸でできた弦)を巻きつけただけのもの。フレットのついた指板を持つこの楽器は、ひとことで 「弓で弾くギター」 と表現される事もあります。弦数の多さから豊かな倍音が得られ、ガット弦のそれほど強くない張りから、柔和な音色が得られるんだそうです。演奏はチェロのように両脚の間に挟んで演奏しますが、床に固定する為のエンドピンは持っていません。
ガンバ(gamba)とはイタリア語で「脚」の意味でJリーグ ガンバ大阪のガンバは確かこの意味ではなかったかな?と思います。スペイン~イタリア~イギリス~フランス、ドイツで隆盛を見ましたが、モーツァルトの時代になると使われなくなり忘れさられました。衰退の原因はモーツアルトがこの楽器の為に曲を書かなかったからかも知れません。そういえば、バッハはちゃんとチェロの為の独奏曲をつくっていますがモーツアルトは、独奏曲はもとよりチェロソナタも書いてないんですよ!モーツアルトは高い音がお好みだったのかも?さて、蘊蓄はこの辺にして、、このCDはヴィオラ・ダ・ガンバ音楽の最初期であるディエゴ・オルティス(Diego ORTIS1510頃~1570頃スペイン)の作品、そして次に発展したイギリスの2人の作曲家、トバイアス・ヒューム(Tobias HUME1569頃~1645)とクリストファー・シンプソン(Christopher SIMPSON1605~1669)、そして最後に隆盛を迎えたドイツのヨハネス・シェンク(Johannes SCHENCK1660~1712頃)、ゲオルグ・フィリップ・テレマン(Georg Philipp
TELEMANN1681~1767 この作曲家はじきに単独でご紹介しなくては行けない人ですが何しろCDになっている作品が多く、選択に苦慮しています)そしてガンバの最後の名演奏家であったカール・フリードリヒ・アーベル(Carl Friedrich ABEL1723~1787)の作品が納められ約2世紀に渡るヴィオラ・ダ・ガンバ音楽を俯瞰しているのです。さあて、興味のある方は聞かない訳にはいきませんね。
 演奏は古楽界で有名なクイケン兄弟の長兄、ヴィーラント・クイケン(1938~)!とにかくこのクイケンの名前は古楽を聞いているとよく出て来る名前です。そしてこの名前が出ていたらそのCDは買っても良い(安心)と言う黄門様の印籠の様な名前です。独奏曲は、静かになっているととても心が静かになります。深夜の一枚にお勧めいたします。勿論午後のティータイムにもばっちり似合いますよ!
COCO-70555 DENON
このCDはDENONのAriareシリーズの中の1枚ですがこのシリーズ、表紙ジャケットに故有元利夫氏の作品が使われています。集めてみるのもいいかもしれません。