小学校の頃,音楽会の合奏演奏のとき,目立ちたがり屋の私は正直に言うとリコーダーか,ハーモニカにはなりたくありませんでした。理由はというと,これまたはっきり書いてしまうとやはり目立たないからです。今から考えてみれば音楽の先生は,子供たちに楽器を振り分ける際どんな基準でどういう楽器を担当させていたんでしょうね?ですから私にとっての、リコーダーのイメージは茶色かアイボリーのプラスチックの3つのパーツからできている地味な楽器意外の何者でもありませんでした。実際に音楽の教科書で「リコーダーで演奏しよう!」なんて書いてあるページの曲は陳腐な面白くない曲ばかりだったと記憶しています。最近、子供たちの音楽の教科書をぱらぱらとめくる機会があるのですが,私が子供の頃よりはいろいろな制約や,しがらみが取れていて結構良い構成だなと思うのですが40年近く前はクラシックに偏っていて結局それもいわゆる有名な曲ばかりでそれが好きでなければ音楽は必然的に面白くなくなるというような構成だったと思います。さて、リコーダーのイメージが一変したのは不肖私の兄が、東京のアパートで一人暮らしをする際,小さな音と,小さな容積で音楽に接していられる楽器は?と言うことでリコーダーに白羽の矢が立ち、練習をし始めたのです。帰省すると,私を呼んで2重奏をやろうと誘うのです。高校生の私は勿論始めは乗り気ではありませんでしたが、楽譜(ヨーロッパのいわゆる定番曲)を見ながら吹いた瞬間、曲のすばらしさに圧倒されたのです。たった2重奏でこれほどの和音が、、だって音が2つしか出ていないはずなのに他にも音が聞こえるのですよ!(倍音ってものがあるってことを後に知ります)音が満ちている!という感動でした。それ以来リコーダーに対するちょっと見下げた気持ちは全くなったのです。小学校、中学でこういう曲を聴かせてくれていたら、、、吹かせてくれたら,,と思うと残念ですが今は昔です。話が長くなりました。
このCDはアムステルダム・ルッキ・スターダスト・カルテットと言ってオランダで1978年に結成された4人のスーパーリコーダー奏者で構成されています。とにかく聞いていただきたい。
曲はバード(1543~1623),フレスコバルディ(1583~1643)、メルーラ(1594/5~1665)、バッハ(1685~1750)などなど時代的には16世紀~17世紀という最も音楽が美しく作曲されていた時代の作品が18曲入っています。実はこのCDベスト盤と言っても良い構成になっています。リコーダーのイメージが変わること請け合います。ちなみに待合室ではリコーダー音楽は非常に重宝しています。何しろやさしいのです。
POCL-5250