クラヴサンとは?一体なんでしょうか?実はチェンバロ、ハープシコードと同じなのです。
生まれ故郷での呼び名が違うのです。クラヴサンはフランス語、チェンバロはイタリヤ語、ハープシコードは英語での呼び方なのです。形はグランドピアノに似ているのですがハンマーでピアノ線を叩いて音を出すピアノとは違いチェンバロは鍵盤を押し下げると、鳥の羽根または代用素材でできたプレクトルムと呼ばれる爪が弦を下から上にひっかいて音を出します。そのためピアノのように音の強弱がつけられません。(だから今のピアノは正式にはpianoforteと言って弱い音も強い音も出るって名前がついているんですよ)
ジャン=フィリップ・ラモー(1683~1764)はフランスバロックの大作曲家です。華麗なオペラやバレエの音楽で知られています。ラモーの音楽は聴いていただくとすぐにお分かりと思いますが独特の世界を持っています。これが結構くせになるのです。このCDは1706年と1722年に発表されたクラヴサン曲集からの抜粋ですが,各々の曲には名前がついているんです。例えば
恋のくりごと,3本の手、小鳥たちの集合ラッパ、つむじ風、雌鳥、未開人等々、、、、、
そんな名前の音楽がどんな調べなのか想像力を発揮して聞いてみると面白いです。
さてこのCDで演奏しているクリストフ・ルセは1982のブルージュ国際チェンバロコンクールで12年ぶりの第一位と言う経歴の持ち主。巧くない訳ありません。そのルセがひいているのが1751年に作られたクラヴサンなのですが、その楽器はパリの有名な製作家アンリ・エムシュによって作られました。その後この楽器はパリの音楽保護者ラ・ププリニエール家が所有。なんとラモーはこのラ・ププリ二エール家に仕えその館にも住んでいたことがあるそうで、きっとこの楽器を弾いたに違いないそうです。250年の時を超えて作曲者が使った楽器で現代の名手がその作品を奏でる!まさにロマンと言えるのではないでしょうか?
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