2008年10月29日付の朝日新聞「私の視点」
東京歯科大学法歯学教室准教授花岡洋一先生「高齢者虐待防止に歯科の目をいかせ」と言う論文を投稿されました。現代社会は、今まさに心の荒廃が言われています。家庭内、学校、職場等での心と心の葛藤によって引き起こされる悲しい事件が報道されない日はありません。この論文にも書かれていますが、子供の虐待の早期発見と防止には歯科界の取り組みは進んでいます。それはムシ歯の数などの口腔内環境の悪さと虐待には明らかな相関があることを02年に都と東京都歯科医師会が発表したからです。花岡先生は、高齢者にもこのような視点での取り組みが必要ということを述べておられます。歯科の新たな取り組みとして考えてはいけない大事なことだと思います。このような視点で高齢者医療を見る先生の鋭さに敬意を表します。
 花岡先生は、私も関わっている法歯学(歯科法医学)の勉強会で何回か講演を聞かせていただきました。学問に対して真摯で燃えるような情熱のある先生として尊敬しております。
この論文を読ませていただき、歯科のやるべき仕事がまだまだこの世にたくさんあること、を感じました。