昨日、SKFプレスから、ショッキングな発表がありました。
小澤先生が、今年のサイトウキネンフェスティバルのオーケストラB.C.プログラムの指揮を降板されるというものです。代わりに下野竜也氏がタクトを取ります。小澤先生は、持病の腰の悪化で長時間立っておられることが困難で、Drストップがかかったということです。
小澤先生のコメントが、SKFの公式HP.に載りました。
小澤征爾総監督からのコメント
皆様へ
私の病気療養に際しては、皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけ致しました。お陰様で、 癌の治療は無事に終わり、転移もなく、主治医からは”キャンサー・フリー(癌はなくなった)”とのお墨付きを頂きました。私も9月5日からのサイトウ・キネン・フェスティバル松本、オーケストラ・コンサートでの本格復帰を目指し、この数カ月体力回復に努めてまいりました。         しかしここに来て持病の腰痛がひどくなってしまいました。主治医に相談したところ、長期安静で筋力が低下したことが原因であり、現状で長時間の指揮をすることは回避すべきだとのご忠告を頂きました。私自身、大変残念であると同時に、皆様にはまた大変なご迷惑をおかけすることになりますが、今年のオーケストラ・プログラムBとCでは、発表されているプログラムに関しては、私の代わりに下野竜也さんに指揮をして頂き、私はコンサート冒頭で、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」より第1楽章を指揮することに致しました。                  下野さんは私が最も信頼する若手指揮者の一人で、2008年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本でもゲスト・コンダクターとして素晴らしい指揮をして下さいました。今年もサイトウ・キネン・オーケストラと共に素晴らしい演奏をしてくれると信じております。  皆様には何度もご迷惑・ご心配をおかけし本当に申し訳なく思っております。9月のフェスティバル終了後は、12月のサイトウ・キネン・オーケストラのカーネギー公演を目指し、腰の治療に専念する所存です。           

               2010年8月26日

オーケストラのメンバーの前で、この発表をせざるを得なかった小澤総監督のお気持ちは、我々には知るよしもありませんが、責任のある立場故、まさに断腸の思いだったと思います。
今夏、小澤先生もコメントの最後に書かれていますが、年末のカーネギーホール公演の練習のために、8/21,26,27と小澤先生に直接指導を受けました。笑顔なんだけれど、痛みをこらえて指揮される姿を拝見し何とも言えない練習でした。早く良くなって欲しいと心から願わずには居られませんでした。特に26日の練習時、子ども合唱の指導の際、動けば腰が痛いはずであるのに、子どもたちのすぐそばまで歩いていき「僕の指揮を見て!!」と、立って指揮してくださったのです。
先生のその想いに思わずじーんと来てしまいました。
指揮の最中は、集中と情熱が、相変わらず伝わってきて、、ほんとに音楽のために生まれてこられた方なんだなあ、と感じました。
この指揮交代について、このブログでリンクしているヴァイオリンの島田さんがとてもタイムリーな、そして感動的な文章をお書きになっておられます。是非とも読んで頂きたくご紹介致します。
「サイトウキネン魂」という8/26のブログです。
島田さんのコメント