いよいよこの独断と偏見のブログも100回目を数えることになりました。
なにをご紹介しようと考えていたのですが,昨日の夕食の時に家内に「100回にふさわしいCDって何だろうね?」と相談を持ちかけたところ、すぐに「フィッシャーディースカウの詩人の恋が良いんじゃない?」というアドバイスが返ってきました。なるほど,そういわれればこのCDには思い出がつまっているのです。

 1986年2月に我々夫婦は結婚したのですが,その時のお祝いに夫婦共通の仲の良い先輩からこのCDをお祝いに頂いたのです。その先輩とはいまだに音楽を通じて交流を続けているのですが、当時開業を4月に控えて音楽を聴く暇など全くなく,準備に忙殺されていました。且つ又、生まれて始めて高額の借金をし,結婚生活を始めた新米夫婦の我々2人にはこのCDを聞くCDプレーヤーもありませんでした。だいたいCDそのものがで始めて数年経った頃で結構珍しかったのですが、どんな音がするんだろうと思いながら数ヶ月聞けなかったように思います。その後、安いCDラジカセを購入し初めて2人で聞いたこのフィッシャーディースカウのこのシューマンの歌曲集!送り主の祝福の気持ちが改めて良ーくわかるCDでした。家内はドイツリートが好きでしたので勿論このCDの良さは知っていたと思います。初めて聞いた第1曲目,「うるわしくも美しい5月に」で正直、感動してしまったのを覚えています。それからはお気に入りのCD!となっているのです。
「詩人の恋」他に「リーダークライス」「ミルテの花」から全部で35曲がおさめられています。
シューマンの珠玉のリートの数々!何かあると聞きたくなるCDなのであります。
いつか「ミルテの花」の中の「献呈」を家内に歌ってあげたいものです。
写真はだいぶすり切れてしまっていますが20年前のCDライナーノートです。録音は1974~5年
タイトルの絵はフィッシャーディースカウ自身が描いた「モミの木」
因に、このCDの価格は3.500円です。貴重品でしたね。ほんと、、、
バリトンのフィッシャーディースカウについては今更何も言うことはありません。20世紀最高のバリトン歌手です。彼を超える歌手が果たして出てくるのか?と言うくらいの歌手です。
ピアノ伴奏はクリストフ・エッシェンバッハ、やはり何も言うことがない1枚です。
このCDは一家に1枚あっていいCDと確信致します。
DEUTSCHE GRAMMOPHON F35G 50131
思い出ついでにもう1枚ご紹介したいCDをクレモナ(杉山御用達のクラシック専門店VOL.83参照)で見つけた懐かしい1枚です。

12月はあっちこっちでベートーベンの第9が鳴り響きます。不肖私も第9は何回歌わせて頂いたでしょうか?記憶力が減退してはいますがこの曲は多分なんとか暗譜でいけそうなくらい歌い込んでいます。さて,子供の頃ステレオ装置みたいなものが自宅にありました。勿論音源はレコードです。それほど枚数のなかったレコードコレクション(いったい誰が買い集めたのか知る由もありませんが3年前に亡くなった親父が買ったのか?)の中に,第9のレコードがあったのです。
ハンス・シュミット・イッセルシュテット指揮のウィーン・フィルの第九!
サザーランド、ホーン、キング、タルヴェラのソロ,録音は1964年!ジャケットの表は指揮者自身でなく豪華絢爛のコンサートホールの写真だったような気がしますが、たしかベートーベンはそれしかなかったので、それだけを聞いていたのです。あまり情報のなかった時代でして,しかし子供心になかなかの演奏だなあと思ってはいたのです。
 いつしかレコードの時代でなくなってしまい、あのレコードを再生した捨てれ何処へ、そして自宅のレコードそのものがなくなって(処分されて)いったのです。
昨日,クレモナに行って金森さん(クラシック専門店クレモナオーナー)にこのレコードのことを聞いたところ「そこに1.000円版で出ているよ!」とのこと。なんとまあ数十年ぶりの音源とのご対面です。ソロをたしかめ,間違いないことを確認し即購入!!自宅に戻って聞いたらこれがなんとまあ素晴らしい演奏!思い出が蘇ってきました。本当に良い演奏なんです。
ウィーンフィルの良さが凝縮しているし,なんと言っても指揮者のセンス,曲作りが卓越しているのです。
 第9のCDなにを買ったら良いか迷っている人には絶対のお勧めです。これが1.000円なんて~~クラシックの音楽業界は膨大なソースを持っていることはわかりますが、、、
本当に良い演奏ってこういう演奏をいうんだっていう見本みたいな第9です。
実際にプレゼントは出来ませんが私から来訪者様皆さんへのプレゼントであります。
持っているCDにはいろんなな思い出がありますが2007年のクリスマスにちょうどいいかなあ?って感じた2枚をご紹介致しました。
Merry Christmas!!