唾液が、お口の健康に重要な働きをしていることは今までも書いてきました。院内勉強会で赤羽歯科衛生士が唾液についてまとめてくれましたので以下にアップいたします。
唾液は口の中の健康を維持する上で大変重要なものです。
一定の量が体内に分泌されている唾液を安静時唾液、食事時などの味覚や刺激に応じて変化する唾液を刺激時唾液といいます。
安静時唾液の分泌速度は約0.3ml/分、刺激時唾液は約4.0ml/分(食事の場合)です。これらの値から、生活時間(活動・睡眠・食事に費やす時間)を考慮して算出される1日当たりの唾液総分泌量は、約500~600mlとなります。これは従来考えられていた1.5L/日という値よりかなり少なくなっています。
唾液の作用
1. 潤滑作用  
口の中や食べ物に潤滑性や粘性を与えて、機械的・物理的・化学的刺激から口の粘膜を保護しています。
2. 抗菌作用
口の粘膜表面への細菌の接着を妨げたり、微生物の発育に不可欠な栄養の利用を阻害し、免疫的あるいは抗菌的な働きをしています。
3. 緩衝作用
  口の中のpHをコントロールして中性域を保つ働きをしています。
4. 再石灰化作用
再石灰時には必要なミネラルの供給源になる。唾液中の各種イオンは「液体エナメル」として、歯質保護に重要な働きをしています。
5. 浄化作用
摂取した発酵性糖質や甘味飲料などが、口の中から胃に移動し濃度が低下することで、口の中の自浄性を保つ働きをしています。
6. 消化作用
デンプンの消化作用があることが知られているが、デンプン成分の食物(ご飯、せんべい、麺類など)が咀嚼され嚥下されるまでの期間を考慮すると、口の中で唾液が消化作用に貢献し十分に機能しているとは考えられません。  
7. 味覚作用
味物質が唾液に溶解することで味蕾(味を感じる舌の細胞)との反応性を向上させる働きをしています。
よく噛むと唾液が出ます!よく噛んで食事して頂きたいですね!