初めて買ったクラシックのレコードは高校時代、カール・ベーム指揮、WPOのベートーベンの交響曲第7番でした。最近、のだめカンタービレとか言う番組でこのベト7がブレイクしているそうですが、若かりしころ(今でも若いつもりですが)は交響曲が大好きでした。ハイドンから始まってモーツアルトはもちろんベートーベン、シューマン、シューベルト、ドボルザーク、マーラー、ブルックナーそしてショスタコービッチ、、、、聞きまくりました。ある時、こういう大編成の音楽ではなくて小編成の音楽が気になりだしました。それは、弦楽四重奏でした。これも多くの作曲家がたくさん残してくれています。基本的にはこれ以上(4声部以上)のアンサンブルは不要とも思うのですが、だって2重奏でもほんとに心に響くアンサンブルを聞くことができるのですから。ひとつの音が違う音を供として響きあっていく、ハーモニーと言われますがそれが音楽の不思議といいますか、楽しみといいますか、、、
 今回、何でこんなにも抽象的な言い方をするかと言いますと、このCD、とにかく聞いてみてくださいということなのです。収録作曲家はサンティアーゴ・デ・ムルシア(1685~1732?)アントーニオ・マルティン・イ・コル(?~1734)フランチェスコ・コルベッタ(1615~1681)アンジェロ・ノターリ(1566~1663)ジョバンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580~1651)バルトモメーオ・デ・セルマ・イ・サラベルデ(?~1640)の曲を、現代でどう表現していくのか、記録も録音もない当時の音楽をどう解釈しどう表現していくのか、この命題に、3人(LOS OTROS)が挑みます。弦楽4重奏からもうひとつ少ない声部でこれほど豊かに音楽を聞かせる術というか、情熱を感じさせる一枚のCDです。お楽しみください、という一枚です。このTINTO (スペイン語で赤ワインの意)の味わいや如何に?
BVCD-31010