紹介13.モリナーロでご紹介したポール・オデットのリュートによる16世紀初頭の作曲家の作品を集めたCDです。リュートに関しては13.を参照していただくとして、とにかくこの曲集に納められた曲の数々は本当に心地よく疲れた身体にしみわたります。何しろ500年ほど以前の曲ばかりです。作曲家自身のデータも乏しいものが多く、楽譜にしても出版譜でなく手写本のみが残っているものとか、とにかく時代を感じさせるCDです。
 つい先日,ドイツワールドカップがイタリアの優勝で幕をおろしました。決勝戦での延長戦後半!まさかのフランス ジダン選手のレッドカード退場には驚かされましたね。その行為に関するコメントは差し控えますが、今までご紹介して来た曲の生まれた場所が、イタリアとフランスということに改めて驚かされます。両国ともにその歴史は古く,又その歴史を非常に大切にしていると理解しています。このCDもまさにイタリアの貴重な遺産ということができましょう。癒し系ならば,,一押しのCDです!!
 収録されている作曲家です。
ヨアン・アンブロジオ・ダルツァ Joan Ambrosio DALZA 1508年に曲集がでている,本人に関してはその曲集に「優れた音楽家にしてリュート奏者」以外の記録は無いそうです
カピローラ Vincenzo CAPIROLA 1474~1548以降 カピローラの作品集は出版譜でなく素晴らしく美しく挿絵入りの手写本の形で残っているそうである。弟子だったヴィダルという人が残したそうだが,彼は手写本についてこう記している「多くの超人的な傑作がそれらの持ち主たちの無智により失われていくことを考慮するとき,このほとんど超人的な楽曲集が長く保存されることを願うあまり私はこれを気品ある絵によって装飾することを決心した.こうしておけばたとえ音楽に興味の無い人の手にこれが渡ろうとも絵の美しさによってとって置かれるであろうから」この挿絵は1ページだけであるが解説書に記されている。
フランチェスコ・スピナチーノ Francesco SPINACINO
ジョスカン・デプレ Josquin DESPREZ
そしてこのジャケットをご覧下さい。浅学非才な私にはよくわかりませんが,絵の右手には一糸まとわぬ男女の姿、入浴?しながら食事?そして左手前方にはリュートを奏でる若者、中央奥にはくらいの高そうな人がその様子を覗いている,画面左には男女のまさに寝室!どういう意味があってこの絵がジャケットに使われたのかは分かりませんが,,その意味を訪ねるのも又一興かと、、、
一家に1枚あってもいいCDです!
HMU 907215